大型車の車輪脱落事故防止に係る令和4年度緊急対策の実施について|国土交通省

 大型車の車輪脱落事故防止につきましては、平成30年度より国土交通省において事故防止のための緊急対策を策定し、事業者の皆様に取り組んでいただいているところですが、令和3年度の事故発生件数は123件と、依然として多くの車輪脱落事故が発生している状況です。

 そのため、各事業者においては、大型車の車輪脱落事故防止対策「令和4年度緊急対策」について、積極的に取り組んでいただき、より一層の車輪脱落事故防止対策を徹底していただきます様、お願い申し上げます。

貨物自動車運送事業者の皆様へ

大型車の車輪脱落事故防止対策「令和4年度緊急対策」について

 大型車の車輪脱落事故が増加していますので、以下の事故防止対策に、積極的な取組をお願いします。

 

1.会社代表者の方へ

 車輪脱落事故防止のための4つのポイントについて、社内の整備管理者、運転者及びタイヤ交換作業者に周知徹底を図ってください。(下記リーフレット参照)

 

2.整備管理者の方へ

 令和4年10月から、大型車の緊急点検を実施しますので、対象車両あてに郵送するダイレクトメールに同封された作業手順に従って、緊急点検を確実に実施して下さい。

■ 作業時間に余裕を持った、計画的なタイヤ脱着作業を実施する。

■ 社内でタイヤ脱着作業を行う際は、正しい知識を有した作業者に実施させる。

■ 著しくさびたホイール・ボルトやホイール・ナット、ディスク・ホイールでは、適正な締付力が得られないため、タイヤ脱着作業時に点検・清掃や潤滑剤の塗布を行っても、さびが著しいディスク・ホイールや、ひっかかり等の異常がありスムーズに回らないホイール・ボルト及びホイール・ナットは、使用せず交換する。

■ 脱落の多い左後輪について重点的に点検する。

■ 積雪地域や舗装されていない道路を走行する車両について、入念に点検する。

■ 増し締めをやむを得ず車載工具で行う場合の実施方法を作業者(運転者)に指導する。なお、車載工具で増し締めを行った場合は、必ず帰庫時にトルクレンチを使用して規定のトルクで締め付ける。

 自社でタイヤ交換した車両による車輪脱落事故が、依然として多く発生していることを踏まえた対策

■ 自社で大型車のタイヤ交換作業を行うときは、作業者に、別紙1の作業管理表に沿って作業を実施させ、その結果を記録させる。

■ タイヤ交換作業完了後、作業管理表をもとに適正なタイヤ交換作業が行われていることを確認する。

■ 別紙1の作業管理表を使用して、増し締めの実施結果を記録する。

■ 点検実施者に別紙2の日常点検表を使用して、「ディスク・ホイールの取付状態」の点検を確実に行う。

■ 増し締め実施後、点検ハンマーによる確認手法のほか、ホイール・ナットへマーキング(注1)を施す、又は、ホイールナットマーカーを装着し、それらのずれを確認する手法により、ホイール・ナットの緩みの点検(注2)を確実に確認する。

 

 

(注1)ホイール・ナットへのマーキング(合いマーク)は、目視によりホイール・ナットの緩みを確認可能とする措置であるため、以下の点に留意して施工する。

 マーキングは、対象となるナットが緩んでいないことを確認し、施工する必要がある。

 マーキングは、ボルト、ナットに連続して記入する。できれば、座金、ホイール面まで連続して記入することが望ましい。

 マーキングは増し締め実施後に施工する。タイヤ交換時にマーキングを施工したときは、増し締め実施後に再度、マーキングを施工する。この場合、以前のマーキングを消して新たに施工するか、以前のマーキングは残し色違いのマーキングを施工するかのいずれかによる。

 マーキングが確認しやすい色(白色、黄色等)を使用する。また、マーキングのずれが目視で判別できるよう、適当な太さで施工する。

 マーキングの記入に使用する塗料は、屋外使用に適し、雨や紫外線等に対して耐久性のあるものを使用する。(例:油性顔料インキ)

(注2)ISO方式のホイールにおいて、「ホイール・ナットの緩み」の点検を、ホイール・ナットへのマーキング又はホイールナットマーカーによる合いマークのずれの確認により行っても差し支えない。ただし、ホイール・ボルトの折損の点検方法としては不適切であることに留意する。

 

 


【参考】車輪脱落事故防止に向けた動画


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