新型コロナウイルス感染症により影響を受ける下請等中小企業との取引に関する配慮について/国土交通省・経済産業省

 現在、中華人民共和国で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症については、同国内の生産活動の停滞や機械部品等の輸入の遅延等による我が国製造業のサプライチェーンへの悪影響、我が国観光関連産業の売上減少等、我が国の生産活動への影響が懸念されているところです。

 過去の自然災害発生によるサプライチェーンの毀損時には、下請事業者から、コストが大幅に増加する発注にもかかわらず、親事業者は、十分に協議することなく、一方的に通常発注と同一の単価に据え置く「買いたたき」などの行為を受けた旨の相談が寄せられています。

 荷主企業の皆様、また、庸車の利用等で親事業者となる貨物自動車運送事業者においては、下記事項についてご配慮いただきますようお願いいたします。

  1. 親事業者においては、今回の新型コロナウイルス感染症の発生に伴って、下請事業者に対し、
     ①通常支払われる対価より低い対価による下請代金の設定
     ②適正なコスト負担を伴わない短納期発注や部品の調達業務の委託
    など、負担を押しつけることがないよう、十分に留意すること

  2. 親事業者においては、今回の新型コロナウイルス感染症により影響を受けた下請事業者が、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うよう配慮すること

 災害発生時における、受領拒否や返品など取引上の問題に対する、独占禁止法及び下請法における考え方について、今次、新型コロナウイルス感染症に関連する事象も、その問題に対する基本的な考え方は同様となりますのでご参考として下さい。